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概要


FXC9432 x2台(4台まで可能)を10Gケーブルを使用してリング構成を取ることで物理的に冗長構成を
組むことが可能。
本構成をスタック構成と呼ぶ。これにより片方のダウン時に、もう片方が予備となりネットワークの
ダウンを防ぐ。
役割の名称としてアクティブ機/スタンバイ機と呼ぶ。
設定はすべてアクティブ機で行い、設定情報もアクティブ機が管理する。
設定情報の同期はアクティブ/スタンバイ間で常に取り続ける。
スタンバイ機は冗長時にも稼働しており、常にアクティブ-アクティブで動作する。

アクティブ機がダウンした際にはスタンバイ機がアクティブ機となる。
よって冗長設計時にはアクティブ/スタンバイ機それぞれに同一の役割となる設定にて運用することを推奨する。
FXC9432_stack1

スタック構成時の接続

コマンド

スタックドメインの指定(グローバル)
switch stack domain [1 - 255]
デフォルト
コマンドモード
使用ガイド
100
コンフィギュレーションモード
スタックドメインを指定し、スタックドメインモードへの移行する。
※スタックドメインはスタックを構成する機器で同一とすること
デバイスIDの指定
switch [1 - 9]
デフォルト
コマンドモード
使用ガイド
1
スタックドメインモード
スタックを構成する機器にデバイスIDを設定する
ディスクリプションの追加
switch [デバイスID] description [任意の文字列]
デフォルト
コマンドモード
使用ガイド
なし
スタックドメインモード
ディスクリプションの追加
プライオリティの指定
switch [デバイスID] priority [1 - 255]
デフォルト
コマンドモード
使用ガイド
100
スタックドメインモード
スタックを構成する機器のプライオリティを指定
スタックポートモードへの移行
stl-port
デフォルト
コマンドモード
使用ガイド
なし
コンフィギュレーションモード
スタックポートモードへの移行
スタックポートの指定
port-member interface tenGigabitEthernet 0/[29 - 32]
デフォルト
コマンドモード
使用ガイド
なし
スタックポートモード
スタックポートの追加

初期値

  • スタンドアロンモード

想定シナリオ

    2台のFXC9432でスタック構成を組む。
    それぞれの設定を以下とする。

    1台目(アクティブ機)
      ドメイン       100
      デバイスID      1
      ディスクリプション  FXC9432_1
      プライオリティ    200
      スタックポート    31,32番ポート
    2台目(スタンバイ機)
      ドメイン       100
      デバイスID      2
      ディスクリプション  FXC9432_2
      プライオリティ    200
      スタックポート    31,32番ポート

設定例

設定準備

2台のFXC9432にて、デフォルト状態からスタックの設定を進める。
この時点ではスタックの結線はしないこと。
それぞれの機器にコンソールケーブルを接続し、状態確認と設定を進めていく。

FXC9432_コンソール
コンソール接続図

1台目2台目共通 事前確認
FXC# show version バージョンの確認





スタックを構成する全ての筐体のバージョンが同じであることを確認
異なる場合は事前にバージョンを合わせること









モードの確認

スタンドアロンモードであることを確認

スタックConfigの確認

左記の通り初期状態であることを確認
もし初期状態で無い場合は既存Configを削除して初期化後に再起動をする。







スタックConfigの削除




再起動
System description : FXC 10G Ethernet Switch(FXC9432)
System start time : 2020-02-07 14:41:35
System uptime : 0:00:30:01
System hardware version : 1.20
System software version : FXC9432_OS release2.3
System patch number : NA
System serial number : C351117002709
System boot version : 1.2.28
Module information:
 Slot 0 : FXC9432
 Cpu 0:
  Hardware version : 1.20
  Boot version : 1.2
  Software version : FXC9432_OS release2.3
  Serial number : C351117002709
FXC# show switch stack
Current system is running in "STANDALONE" mode.
FXC# show switch stack config
mac: 0017.2e23.6aa9
!
switch stack domain 100
!
switch 1

!
switch convert mode standalone
!
FXC# delete config_vsu.dat
Do you want to delete [flash:/config_vsu.dat]? [Y/N]:y
Delete success.
FXC# reload
Reload system?(Y/N)y
1台目(アクティブ機)スタック設定
FXC#
FXC(config)#
FXC(config-st-domain)#
FXC(config-st-domain)#
FXC(config-st-domain)#
FXC(config-st-domain)#
FXC(config)#
FXC(config-stl-port)#
FXC(config-stl-port)#
FXC(config-stl-port)#
FXC(config)#
FXC#
configure
switch stack domain 100
switch 1
switch 1 description FXC9432_1
switch 1 priority 200
exit
stl-port
port-member interface tenGigabitEthernet 0/31
port-member interface tenGigabitEthernet 0/32
exit
exit
write memory

同一スタックを構成するドメインで共通にする
デバイスIDの設定(デフォルトが1なので必須ではない)
ディスクリプションの設定(説明文なので必須ではない)
優先度の設定。高いほどアクティブとなる

スタックポート設定へ移行
スタックポートを31番ポートに指定
スタックポートを32番ポートに指定


設定の保存

※スタック設定の保存はcopyコマンドではされないため
必ずwrite memoryで行うこと

スタックモードへ変更

yesを入力

自動的に再起動が掛かる
1台目の準備が完了
Building configuration...
Write to boot config file: [flash:/config.text]
[OK]
FXC# switch convert mode stack
Convert mode will backup and delete config file, and reload the switch.
Are you sure to continue[yes/no]:yes
 
 
2台目(スタンバイ機)スタック設定
FXC#
FXC(config)#
FXC(config-st-domain)#
FXC(config-st-domain)#
FXC(config-st-domain)#
FXC(config-st-domain)#
FXC(config)#
FXC(config-stl-port)#
FXC(config-stl-port)#
FXC(config-stl-port)#
FXC(config)#
FXC#
configure
switch stack domain 100
switch 2
switch 2 description FXC9432_2
switch 2 priority 100
exit
stl-port
port-member interface tenGigabitEthernet 0/31
port-member interface tenGigabitEthernet 0/32
exit
exit
write memory

同一スタックを構成するドメインで共通にする
デバイスIDの設定
ディスクリプションの設定(説明文なので必須ではない)
優先度の設定。高いほどアクティブとなる

スタックポート設定へ移行
スタックポートを31番ポートに指定
スタックポートを32番ポートに指定


設定の保存




スタックモードへ変更

yesを入力

自動的に再起動が掛かる
2台目の準備が完了
Building configuration...
Write to boot config file: [flash:/config.text]
[OK]
FXC# switch convert mode stack
Convert mode will backup and delete config file, and reload the switch.
Are you sure to continue[yes/no]:yes
 
 

スタック結線
 2台のスタック設定が完了後、スタック結線を行う。
 結線後、スタックとして起動するまでに約5分かかる。

FXC9432_結線
約5分後、スタックモードとして起動する。
スタンドアロンモードで使用していたConfigは削除される。
この後の設定はすべてアクティブ機で行うこととなり、スタンバイ機のコンソール操作は不可となる。
アクティブ機がダウンした際には設定や操作がスタンバイ機に引き継がれる。

アクティブ機の選出基準
 1.すでにアクティブ機として稼働しているスイッチ
 2.上記で判断できない場合、優先度の高いスイッチ
 3.上記で判断できない場合、 Device IDの小さいスイッチ
 4.上記で判断できない場合、 MACアドレスが小さいスイッチ

スタック後のインターフェイスの表示変化
 コンソールでインターフェイスを表示する際、ポート番号の前にデバイスIDが追加される。
FXC9432_結線
インターフェイスの表示例

備考

アクティブ機がダウンした際には設定と操作がスタンバイ機に引き継がれる。(通信断は数msec。)
設定を引き継いだスタンバイ機はアクティブ機と同じConfigを保持し、新しいアクティブ機として稼働を続ける。

関連コマンド

バージョンの確認
 show version

スタックモードの確認
 show switch stack

スタックConfigの削除(初期化)
 delete config_vsu.dat

スタック用Configの確認
 show switch stack config

スタックを構成する機器のプライオリティや役割の確認
 show switch stack role